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コンテナニュース

コンテナの可能性を広げるアドベンチャーパーク

コンテナを利用した建物というと、窓の少ない閉鎖された建造物をイメージしがちですが、コンテナの可能性のさらなる広がりを感じさせるアドベンチャーパークが12月下旬に神戸市でオープンしました。

このアドベンチャーパークは、アドベンチャーコースとキッズルームで構成されていますが、キッズルームの建物のベース構造に、国産のコンテナが使用されています。

さらに面白いのは、そのキッズルームの屋上に木造のアドベンチャーコースを作っていることです。ぐらぐらする吊り橋や、一本橋、ネットなどがあり、スリル満点。頑丈なコンテナの中だけでなく、上部も利用したアイデアが秀逸です。コンテナと異素材の木を組み合わせることで、今までにないユニークな建造物ができる好例です。

コンテナ型の仮設トイレ

北海道から台風19号の豪雨で甚大な被害に遭った宮城県丸森町にコンテナ型の仮設トイレが運ばれました。

これは北海道胆振東部地震の際も利用されたもので、内部は男女別の洋式水洗トイレや洗面台が取り付けられており、床や壁、便器は丸洗いすることもできるので衛生上も安心。日本のみならず世界中で災害が年々増え続ける現在はこのようなコンテナ型の仮設トイレは各自治体で準備しなければならないものになっていきそうです。以前は再利用としては倉庫がメインだったような気がしますが、今やコンテナはトラックで移動させることが出来、あらゆるものを設置することが出来る貴重なものに変貌してきました。

多種多様な業界、農業、漁業、飲食、美容、医療施設に充電設備、又、2020年オリンピックに向けては民泊施設としてのコンテナホテルと次から次に利用用途が広がっています。

「黄金色に輝く茶室」がコンテナで

福岡県八女市「黄金色に輝く茶室」が製作されました。これは縦横2・5メートル、奥行き6メートルのコンテナを改造したものです。

八女は国指定伝統的工芸品である八女福島仏壇や八女提灯などで知られていますが、近年は後継者不足と高齢化に悩まされています。それを少しでも改善できればと発案者らが自費で作ったそうです。 茶室の壁は和紙や金箔、床は石灯籠の技術を使った石畳、床は高級仏壇に使われる漆塗りで仕上げられています。 9月に行われたお祭り「あかりとちゃっぽんぽん」では提灯や竹細工、蒔絵、銅板アートなどもお披露目されました。

また、「八女伝統本玉露」は平成27年に特定地域のブランド農産品を国が保護する制度「地理的表示保護制度(GI)」の登録第1弾として認定されました。「黄金色に輝く茶室」でこのお茶をゆっくり飲んでみたいものです。 コンテナの茶室はトラックに積んで移動できるので九州だけでなく、他の伝統工芸品のためにも全国に行ってほしいですね。

進化するネットスーパー

自宅にいながらにして商品を注文できて、便利なネットスーパーは欧米を中心に全世界で広がりを見せています。ネットスーパーでもコンテナは活躍しています。

エストニアでは、世界初のコンテナ型のネットスーパー向け自動受取スポットが誕生しました。ユーザーはネットで商品を注文し、商品の準備完了の通知を待ちます。 通知が来たら、コンテナに立ち寄って専用QRコードを読み取らせると、わずか20秒で商品が自動的に出てきます。コンテナには冷蔵スペースの他、冷凍スペースも完備し、食料品の保存も可能です。

大量の商品を収納でき、断熱性も優れたコンテナは、IT社会でますます活躍しています。

コンテナの積み降ろしを担うガントリークレーン

港に集まったコンテナは、どのようにして積み降ろしが行われるのでしょうか。

港のコンテナ発着所に足を運ぶと、赤白の縞に塗られた大きなクレーンがたくさん見られると思います。。 これはガントリークレーンと呼ばれ、このクレーンが船やトラックに運ばれたコンテナの積み降ろしの役割を担っています。 ガントリークレーンは、ほとんどの貿易港に見られます。

コンテナの積み降ろしは、ガントリークレーンから呼ばれるスプレッダーと呼ばれる吊り具をワイヤーロープで落とし、コンテナニュースVOL26でも紹介したコンテナの上部の穴「キャスティング」に引っ掛けて吊上げて行っています。 この動作は自動操縦ではなく、運転士が行っています。吊り具を高いところから垂らしてコンテナの小さな穴に掛けなければならないため、ガントリークレーンの運転は、非常な精度が必要とされます。ガントリークレーンの運転士は港の中で花形の職業と言われているそうですよ。

災害時に活躍する発電装置と蓄電池を格納したコンテナ

環境汚染の影響か日本でも毎年、大雨や竜巻、海面の上昇と不安なニュースが流れています。地震の際も水や電気、ガスが使えず大変な思いをしなければなりません。

今回、コンテナ収納移動型の独立電源を開発したNTNによると風力・水力・太陽光発電装置と蓄電池を格納した貨物輸送用コンテナは陸でも空でも海からも運べ、施工は2人で1時間程で施工できる優れものです。

水や電気に関係する色々な機器も電源がなければ使えません。毎日手元に置いている携帯電話も使えなくなってしまいます。まさに災害時には無くてはならないものですね。又、コンテナ内では電源を供給するだけでなく休憩スペースなど色々なことに使用できます。

コンテナの吊り上げ

コンテナをクレーンなどで吊り上げているところを見たことがある人は多いと思います。こういったコンテナはどうやって吊り上げているのでしょうか。遠目では四角に見えるコンテナですが、実はコンテナに一体化した穴の開いたボックスが、上部の天辺4カ所についています。 これを『キャスティング』といいます。真横から見ると、ちょうど小さな耳が出ているようです。

このコンテナについているキャステングにフックを引っ掛けて、クレーンでつり上げているのです。多くのコンテナ船の到着する岸壁には、コンテナを吊り上げるクレーンが多数設置されています。これらのクレーンは1時間に30個ほどのコンテナを積み降ろしが出来るそうです。

増加するホームレス

日本ではあまり見かけなくなったホームレス。2018年の厚生労働省の調査では前年度と比べて10.1%減少しているそうです。確かに、あんなに沢山あった公園のテントや駅構内のホームレスの姿は見なくなりました。しかし、実際は身寄りがなく保証人になってくれる人がいない状態では部屋を借りることはできません。 結果、ネットカフェ難民と形を変え(2018年の東京都の調査では都内だけで4000人)増え続けています。

世界に目を向けてみるとカリフォルニアではホームレスの増加の解決策として、ロサンゼルス市長はホームレスの滞在先としてコンテナで作った2階建ての施設を建設しています。 ここには飲食店が入る予定で、ホームレスが食べられる場所もつくられるそうです。安価で、組み立てやすいコンテナは建設費も抑えられ、設置もしやすいことから今後も世界中でコンテナ建設は増え続けると思われます。

渋谷の遊歩道「PARK PACK」

渋谷川沿いの八幡橋近くにカラフルな3つのコンテナが設置されました。これは「PARK PACK」と呼ばれ、昨年秋に、渋谷から代官山にかけて600mの遊歩道が整備されたことに伴う「遊歩道の価値づくり」の社会実験プロジェクトの拠点です。

活動期間は5月6日までで、遊歩道の活用方法を一般から公募し、4月からはその中から一つずつ実現していくそうです。どんなことが行われるのか楽しみです。このプロジェクトのメンバーは老若男女が活発に活動できる場所として利用してほしいと言っています。

最近はどんな場所に行ってもほとんどの人が下を向いて携帯に没頭し、季節に関係なく同じ光景です。この遊歩道がきっかけになって、下ばかり見ず、周りを見て、季節の香り、色を感じることを知ってほしいですね。

(画像はイメージです)

「雪下野菜」をコンテナで

最近よく耳にする雪下野菜ですが、もともとは冬の厳しい地域で野菜を保存するために行われてきた雪の中での貯蔵法です。そんな寒い時期を過ごした野菜は糖度が増してとても美味しくなります。しかし、この保存方法は重労働でした。

そんな中、農家にとって画期的ともいえる貯蔵庫が商品化されました。それは40フィートのコンテナ5つを連結して作った雪室で、3つのコンテナに除雪した雪を入れ2つのコンテナには農作物を入れて保存し、糖度を上げるというものです。

この雪室をつくった中村建設ナカフサは兵庫ものづくり支援センター但馬(兵庫県豊岡市)と共同試験した結果、糖度が2倍になったということですので、これから益々食べる楽しみがふえますね。農家にとっても今まで規格外で商品価値の低かったものが糖度を上げることで商品価値が高められそうです。

ワールドカップにコンテナを活用するカタール

2022年のカタールで行われるワールドカップ。立候補でプレゼンテーションされた内容はスタジアム内をエアコンで空調し、選手や観客が過ごしやすいようにするというものです。又、スタジアムの一つ、ラス・アブ・アブード・スタジアム(収容人数4万人)はコンテナの建造物で、組み立て式のコンテナ(各モジュールが観戦シート、売店、トイレ等の要素に分れている)は分解できるように設計され大会が終わった後は規模を小さくして他のいろいろな建物に活用されます。

ここに使われるコンテナは2018年8月から製造が始まり、2019年2月、ドーハで最初のバッチとなるそうです。このスタジアムは資材、人件費の削減、工期の短縮、CO2の削減といいことづくめです。世界中でコンテナを使ったアパートや店舗が増えているのもうなづけますね。

豊富な資源を持つカタールがサステナビリティに配慮していることは、見習わなければならないところです。

地球温暖化を防ぐ貨物列車

日本では今後、少子高齢化の波が物流業界におけるトラックドライバーの不足や若年層労働者の不足をさらに厳しいものにしていくと考えられます。地球環境への配慮も世界的にも早急に考えないといけない事案となっています。

二酸化炭素排出削減のためにも一度に多くのコンテナを載せて運べる機関車は、地球温暖化を防ぐために適した輸送手段です。 JR貨物は今年の3月16日(土)のダイヤ改正にあわせて、関東から関西までだったコンテナ輸送を九州まで延ばし、自動車部品も東海から九州への輸送を始めるそうです。それに伴い高速・重けん引用に使用する青空のような色をしたEF210形4両、駅構内入換作業用に使用する真っ赤な色のHD300形5両の計9両の機関車を新たに作り、両側開きタイプのコンテナや妻側開きタイプのコンテナ、計3,950個のコンテナの新製を予定しています。

コンテナが木々の伐採を減らす

日本でも当たり前のように行われてきた、大きく育った木々を伐採してのビルの建設。

タイでも当たり前のように行われてきました。しかし、タイの大学を建設するにあたって、木は伐採せずに高度なスキルを持ったクレーン運転士が木々の間を縫うようにコンテナを組み立てました。この木は教室を日差しから守り建設費はもちろんのこと、温室効果ガスの削減にも効果を発揮し人にも地球にも優しい建物になったそうです。

近年、移設、増設、再利用が容易ということでコンテナをホテルに利用する会社が増えてきました。楽天グループの民泊事業会社は来年に沖縄・宮古島に一軒家タイプや露天風呂まで備えた宿泊施設を開業するそうです。楽しみですね。

コンテナが被災地の診療所に

地震、津波、巨大台風、大雨による土砂災害。明らかに深刻な状況が各地で起こっています。病院が被害を受け診療が受けられなくなることも。 実際に東日本大震災では医療機関の被災が相次ぎました。その為、政府は「病院船」の建造を考えていましたが、南海トラフ地震など大規模災害時には、港湾施設の倒壊、津波により使えなくなる恐れがあります。

そんな中、考えられているのがコンテナ型医療施設。既に国際医療援助団体「国境なき医師団」がケニアで仮設診療所として活用しています。2016年、熊本地震の時もコンピューター断層撮影(CT)室として使われるなどの実績があります。コンテナは大きさや形が国際基準で定められ、船だけでなく車や鉄道でも運べるので、日本は勿論のことですが世界の災害で活躍してくれそうです。 コンテナ型の医療施設を全国に普及させようと2019年度の国の予算確保を目標に国会議員連盟が協力企業と共に検討を重ねていますが少しでも早く実現してほしいですね。

始まったコンテナの共同輸送

今、物流業界はCO2削減を迫られ、物流費の高騰、ドライバーの不足など深刻な状況に陥っています。その状況の打開策としてキユーピー、ライオン、日本パレットレンタル(東京、JPR)が8月22日から共同輸送を開始しました。
今年の6月から輸送テストを実施していましたが確かな効果が得られ、総距離2811キロに対し、空荷の距離は14キロだけで、実車率は99%を超えました。茨城からコンテナトレーラーに乗せた商品を東京港まで陸送。
フェリーにトレーラーを積んで、北九州市の新門司港→陸送で、佐賀県→JPRのパレットをトレーラーに積む→新門司港→フェリで徳島港に寄ってパレットを降ろし、ライオンの製品を載せる→東京港→陸送、埼玉県のライオンの流通センター。
又、共同輸送は週に1回の実施ですが、従来と比べ1往復当たりのCO2排出量は62%以上低減するといいます。他にもサントリーホールディングスがコマツ、日野自動車、クボタなど異業種間で取り組み、空のコンテナを運ぶ無駄を少なくし、生産性を上げる狙いです。

コンテナの利便性

コンテナがこの世に存在しなかったとき荷物を船で運ぶのはとても大変でした。当然、荷姿はバラバラ。昔、城の周りに石を組んだようなものでしょうか。大小の荷物を少しでも多く船に乗せるには経験を積むしかありません。
重いもの、軽いもの、液体の有無、壊れやすいものなど積む順番も考えなければなりません。航海の途中で荷が崩れないように等あらゆることを想定して臨まなければなりません。台風や高波、海は凪いでいる時ばかりではないので航海士の苦労は並大抵ではなかったはずです。
今は荷物はコンテナに守られ中身が外に飛び出すこともなく必要な場所に届けられます。本当に人間の知恵は沢山の便利をはこんできます。

最近話題のグランピング

最近話題のグランピング、いろいろな形のグランピングが話題を呼んでいます。おしゃれ、楽、簡単に集まりやすい!そんな中、今度は畑の中に泊まって収穫したての瑞々しい果物や野菜を食べるファームグランピングなるものが出てきました。

東京から車で約80分のところにオープンした「FARM GLAMPING なめがたファーマーズヴィレッジ」のキャンプスタイルには、コンテナスタイルとテントスタイルが有り、コンテナスタイルは冷暖房やWi-Fiなども完備されているそうです。
春夏秋冬の空気や土、木のにおい、季節によって違う花の甘いにおいや草のにおい。都会のいろいろな音に邪魔されず、鳥のさえずりで目を覚ます贅沢。
ネオンに邪魔されずに見える満天の星空!
自然の真っ只中だからこそ感じられる贅沢な日々。 コンテナって本当に優秀ですね。いろんな場所で活躍してます。

小さな蓄電池コンテナ

日本ベネックス、住友商事、富士電機は共同で、電気自動車(EV)のリユース蓄電池を用いた新たな蓄電池システムを開発したと発表しました。 本システムは、20フィートのコンテナに日産自動車のEV「LEAF」24台分のリユース蓄電池を格納したものです。

この蓄電池システムは太陽光発電パネルとつなげて電気を蓄積し、工場やビルの電力需要ピーク時の補助電源として利用するというものです。
EV用電池は使い続けると、航続距離が短くなるといわれていますが電池としてはまだ使われる容量が残っており、電気代の節約とともに環境にも配慮されるこの蓄電池コンテナは災害時のバックアップ電源としての使い方も可能です。個人的には一般家庭向けの小さな蓄電池コンテナも検討してほしいところです。

北海道で広がるコンテナ店舗

北海道、釧路、根室管内では、海上コンテナを飲食店や会議室などとして活用しています。建築費用が安く済むだけでなく、 鋼鉄製の外観や内装を周りの環境や自分の好みに合わせた色に塗ることが出来ることから、5年ほど前から人気が拡がっています。

釧路町に昨年11月オープンした「カフェ シュエット」のオーナーは建築費抑制のために40フィート(長さ約12・1メートル、幅2・4メートル)のコンテナを3基つなぎ、キッチンやトイレ、座席30席などのお店を構えました。コンテナを利用することで一般的な建物より五、六百万円安く抑えることができたといいます。又、 中標津町で昨年6月にオープンしたアウトドア商品を扱う「コスモ サイエンス」は40フィートの中古コンテナ2基をつないだお店を作りました。コンテナの店舗は注目を集め、ここ1年で約50人が見学に来たそうです。

コンテナ船を学ぶ企画展

国内のコンテナ船は1968年に日本初のフルコンテナ船箱根丸が就航してから50周年を迎えます。2018年4月には川崎汽船、商船三井、日本郵船3社が合弁会社を設立し、定期コンテナサービスを開始しました。日本郵船歴史博物館(横浜市中区)では7月16日までこのコンテナ船の歴史を学ぶ企画展「ならべて積んで半世紀」が開催されています。5月26日には、小学3年~中学3年を対象にブロックでコンテナ船を組み立てて船の仕組みを学ぶ教室も開かれているので家族で行かれるのもいいですね。現役の航海士がレクチャーしてくれるそうです。

他にはコンテナ船と旧日本海軍の戦艦「大和」を比べる同縮尺の模型が展示されていたり、歴代のコンテナ船、箱根丸(縮尺1/100)、鎌倉丸 (同1/150)、春日丸(同1/500)の模型も展示されています。何も考えず見てたコンテナ船が世界の流通にいかに重要な役割を担ってきたか、改めて考えさせられます。又、6月23日には日本郵船東京コンテナターミナル(大井)で「ターミナルを見学してコンテナ輸送について学ぼう。」も開催予定です。

コンテナにクリエーターが集う

世界一クリエイティブな国と言われているデンマークでとても素敵なことが行われています。オーフスという都市でカラフルなコンテナが並ぶ場所があり、この場所は「Institut for(X)」と呼ばれところどころにグラフィティが描かれています。グラフィティとは本来は壁などに刻まれた古代の絵画や文字のことだったらしいですが、広辞苑では「落書き」と書かれています。

この場所には人と違うことをやりたいと思うクリエーターたち(デザイナーや建築家から、ミュージシャン、革職人に美容師まで。250人以上)が集まりコンテナや小屋をオフィスやスタジオとして使っています。もともとは再開発が終わるまでの期間限定でこの土地を使う予定でしたがオーフス市は若者たちを追い出さず自由と挑戦を愛する精神のクリエイティブ産業を活性化させ、Institut for(X)という場所自体が市のブランディングの役目を果たすようになっていきました。

いまではこのエリアの経済効果は年間2000万デンマーククローネ(約3.5億円)に上るといわれています。日本でも芸術家が廃校になった学校でクリエイティブな活動をしているところもありますが組み立て自由なコンテナだと更に面白いことが出来そうです。日本でも若者が集まって画期的な活動が出来るそんな場所が作られるといいですね。

ジュニア・シッピングジャーナリスト賞

公益財団法人 日本海事広報協会が毎年おこなっているジュニア・シッピングジャーナリスト賞をご存じでしょうか。「開運」や「船」の事を調べて新聞にするというものです。応募は小学生から高校生が対象ですが高学年になるとプロ顔負けの新聞が作られています。その中にはコンテナについて書かれたものもあります。

2017年度は中学生が、コンテナについて書いた「海を翔ける宝箱」が1位に当たる国土交通大臣賞に輝きました。海事産業については特に知識がなかったという彼女ですが、トラックで運ばれているコンテナをみて、興味を持ちコンテナ船について調べることにしたそうです。色んな資料を見るうちにコンテナの規格が世界共通であることや、コンテナ船の歴史や速度、乗員数などその魅力に惹かれていったそうです。

ただの箱の入れ物に見えるコンテナは今や、港にあるのは当たり前、JR貨物、トラック、海上と輸送に欠かせないものです。倉庫にお店、別荘と限りなく用途が拡がり、知れば知るほど面白いのかもしれません。

コンテナ店舗でつくるあたらしい商店街

長い間シャッターが降りたままの店舗が目立つ商店街。百貨店やショッピングモールなどが進出するようになり、ますます個人のお店が減っていっています。統計によると商店街の空き店舗の割合は2003年で7.3%でしたが、2012年には14%を超え、さらに減少を続けています。昔はお店の人と気楽に話をし、時にはおまけを貰ったりまけてもらったりと人と人が繋がっていました。今、商店街のそんな風景は失われつつあります。

このような中で、商店街をもう一度元気にするプロジェクトが全国各地で注目を集めています。新潟県の上越妙高駅前に2016年に登場した「フルサット」。コンテナの店舗が並ぶ新たな形の商店街です。コンテナなので簡単に増やしたりイベント会場に変化させたりと必要に応じて自在にスタイルが変えられ、気軽に出店出来るのが魅力。
若い人たちの笑顔や明るい声は観光客との交流を深め、街の活性化につながっています。

コンテナ店舗の他にも島根県の商店街では、実際の店舗を舞台にした「人生ゲーム」を行ったり、香川県では、地元高校生約30人と市内の団体が協力し合って、高校生によるカフェをオープンするなど、新たな試みが次々と生まれています。生まれ育った場所が活気を取り戻すことはとても嬉しいですね。

レンタルコンテナ・トランクルーム

郊外の大通り沿いなどで、「レンタルコンテナ・トランクルーム」などの看板ともに、たくさんのコンテナが並んでいるのを見た事があると思います。都市部の家では、収納が足りず大きな荷物の置き場に困る家が少なくありません。

また、大量の在庫などの保管場所が不足している法人も多いようです。そこで人気になっているのが「レンタルコンテナ・トランクルーム」です。コンテナ、トランクルームに有料で入れておきたい荷物を入れることができます。

気になる費用は月に2,000円〜50,000円と、幅広く、保管環境や立地によって異なります。家に保管しきれない荷物がある方は、「レンタルコンテナ・トランクルーム」を検討してみてはいかがでしょうか。

コンテナを強くする凹凸

街で見かけるコンテナは、どれも表面の鉄板が凹凸していますね。
これはまっすぐより波打った形状の方が上や、外側からの力に強くなるためです。紙などを折ってみるとよくわかります。段ボールなども同じ構造をしています。

強度を考えて凹凸の厚みの分だけ鉄板を厚くするとどうでしょうか。鉄板を厚くすると鉄がたくさん必要になるので鉄の材料費がかさむ上、その分だけ重くなるので運搬できる貨物の量が少なくなってしまいます。

限られた鉄板の厚みでコンテナの強度を確保する工夫として、表面を凹凸させているのです。

巨大化するコンテナ船

グローバル化により、船舶による海上物流は急拡大しています。
積載量が大きいほど、輸送効率が良くなるため、造船メーカーは競ってより大きい船の開発を行い、コンテナ船は現在に至るまで大型化の一途を辿っています。
1960 年代では積載量は約700TEU※でしたが、1990 年代後半には 6,000TEU のコンテナ船が就航しました。その後もコンテナ船の最大記録はたびたび塗り替えられ、現在では 20,000TEU 型という巨大な船が海上を走っています。

こうした大型化によって問題も発生しました。
船が大きすぎて海峡や運河を渡れないのです。一部の運河は、大型の船が通れるよう拡張工事を始めていますが、今後も船舶の大型化は続く見通しで、運路の拡張にも限界がきています。この問題を解決するには、拡大する世界の物流量そのものの見直しが必要なのかもしれません。

※TEU=標準的な大きさのコンテナ1個分相当というおおよその容積を示す単位

被災地のコンテナ仮設住宅

東日本大震災で甚大な被害を受けた宮城県女川町では、建設に十分な平地がないために仮設住宅の供給が不足していました。

そこで仮設住宅の需要を補うため、海上輸送用のコンテナを使用した2,3階建ての仮設住宅が採用されました。

コンテナを市松模様に組んだコンテナ仮設住宅は、頑丈で耐震性、断熱性、耐火性に優れます。作り付け家具まで備えた、今までにない開放的な居住空間は、入居者にも大変好評でした。

使用後は自由に組み替える事もでき、フレキシブルな利用が出来る事も魅力で、こうしたコンテナを利用した多層住宅は、仮設住宅の新しい建築方法として今注目されています。

海上コンテナの積載量

海上輸送の主役、海上コンテナはどれくらいの荷物を運べるかご存知でしょうか。

海上コンテナは20フィートと40フィートコンテナが主に使われています。道路交通法で許可されている20フィートコンテナの重さは20,320kg、40フィートですと30,480kgです。
これにはコンテナ自身の自重が含まれており、ドライコンテナの20フィートコンテナの重さは2,400kg、40フィートコンテナだと3,900kgになりますので、差し引くと最大積載量は20フィートコンテナが21,700kg、40フィートコンテナが26,580kgになる計算です。
(ちなみに、動物のカバ1匹が平均2,500kgと言われています。)

海上コンテナはさすがに多くの荷物が運べますが、コンテナの自重が荷物全体の重さの10分の1強という結構な割合を占めていることもわかります。重い荷物を運ぶ強度を保つためには、コンテナ自身も重くて頑丈でなければならないのですね。

注目を集める夜の東海道・山陽線の貨物列車

最近、夜の東海道・山陽線の列車が変わったことをご存知でしょうか。
寝台列車やブルートレインは無くなってしまい、代わりに今注目を集めているのが、運送会社やメーカーが走らせる専用貨物列車です。長距離トラックの運転手不足やCO2排出量削減を目的として始められました。

佐川急便専用列車の「スーパーレールカーゴ」は1編成にコンテナ28個が載せられ、積載量は往復で大型トラック56台分に相当します。
福山通運の福山レールエクスプレスは1編成にコンテナ40個が載せられ、積載量は往復で大型トラック80台分です。電気機関車が牽引する緑色に統一されたコンテナの編成美は「撮り鉄」に人気です。

トラックやコンテナの情報を企業間で共有して物流効率化

運送会社のドライバー不足や温暖化ガス排出など輸送にかかわる問題が大きな問題となっています。そんな中、トレードシフトジャパン(株)が環境技術とネットワークで地球環境保全に貢献するNPO エスコット監修のもと、物流の効率化を目的としたアプリ「カラトラ」の無料提供を開始しました。

輸送が終わり復路を空(から)で走るトラックやコンテナの情報を、このアプリに入力し、他の企業と共有するという画期的なものです。
これまでの無駄な時間と燃料が削減されて、地球や生物の未来環境が少しでも過ごしやすいものになってくれるといいですね。

コンテナのプチ別荘でお金持ち気分

お金持ちならではのリゾートの過ごし方のひとつが別荘で滞在すること。 別荘を持てるとしたら建てたいと思う人気の場所は沖縄、石垣島や伊豆、熱海などで、ビーチタウンが人気のようです。でも現実の建築費用や土地代を考えると、別荘は一般庶民にはなかなか敷居が高いもの。

そこでおすすめなのが、中古コンテナハウスを使ったプチ別荘です。
コンテナを使うので、建築費用がかからず、場所もあまり取らないため、通常の別荘と比べ、とてもリーズナブルに手に入ります。アメリカでは「タイニーハウス」などと呼ばれ、すでに人気が出ているようです。

コンテナハウスなら憧れのビーチタウンの別荘で休暇を過ごすのも夢ではないかもしれません。

日本初のコンテナ船

コンテナの歴史は比較的短いもので、世界で初めてコンテナで貨物が輸送されたのは1956年4月26日で、発明者はマルコムマクリーンだと言われています。
その約十年後、世界的な遠洋定期航路のコンテナ船化の中、日本籍初のフルコンテナ船「箱根丸(日本郵船)」が登場します。1968年に日本・北米西岸航路に就航しました。
コンテナを使用することにより、寄港地での宿泊日数の大幅な短縮に成功(1航海に約80日をも要した太平洋航路を約30日で運航可能)し、海上輸送革命と言われるほどの効率化につながりました。

ちなみに日本に初めて寄港したコンテナ船は、「Matson社(アメリカ)のハワイアン・プランター号(Hawaiian Planter)です。
フルコンテナ船として初めて日本に寄港しています。

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